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断熱等級6強って?実際の暮らしで何が変わる?

date_range2026-10-23

前回ご紹介した北須磨団地Aは、断熱性能「等級6強」の住まいです。

……と言われても、「で、等級6強って何がいいの?」と思いますよね。

家は、数字をながめながら暮らすものではありません。

大切なのは、朝起きたときに寒くない。お風呂へ行くときにブルッとしにくい。夏にエアコンが頑張りすぎなくてもいい。

そんな毎日の小さな快適さです。

今回は、むずかしい性能の話は少なめに。

断熱性能が高くなると暮らしがどう変わるのか。北須磨団地Aの実例といっしょに見ていきましょう。

北須磨団地AのLDK

そもそも「断熱」って何?

断熱を、とても簡単にいうと、家の中と外の熱を行き来しにくくすることです。

冬は、せっかく暖めた室内の熱を外へ逃がしにくくします。

夏は反対に、外の暑さを室内へ伝わりにくくします。

魔法びんを想像すると分かりやすいかもしれません。

暖かいものは暖かく。冷たいものは冷たく。

もちろん家は魔法びんではありませんが、考え方は少し似ています。

冬:暖かさを外へ逃がしにくい 夏:外の暑さを中へ入れにくい

変化① 冬の「足元ひんやり」がやわらぐ

古い団地でよく聞くのが、「暖房をつけているのに、足元だけ寒い」という悩みです。

顔は暖かい。でも足元は冷たい。なんとも落ち着きません。

北須磨団地Aでも、床をめくってみると、昔の建物ならではのつくりが見えてきました。

そこで今回は、床だけでなく壁や天井なども含めて断熱を考えています。

断熱性能を高めることで、室内の熱が外へ逃げにくくなり、床や壁の表面も冷えにくくなります。

つまり、部屋の温度だけではなく、体で感じる寒さも変わってくる。ここが断熱の大きなポイントです。

変化② 部屋を移動したときの「寒っ!」を減らす

冬の家でよくあるのが、リビングは暖かい。でも廊下へ出た瞬間、「寒っ!」。

洗面所へ行って「寒っ!」。玄関へ行って、また「寒っ!」。

家の中なのに、小さな冬が何度もやってきます。

断熱性能を高める目的のひとつは、家の中の温度差をできるだけ小さくすることです。

北須磨団地Aでは、すべてをドアで細かく仕切らず、必要な場所にはロールスクリーンを使っています。

空気が家の中を動きやすいようにして、エアコン1台で家全体を暖める住まい方をしています。

実際に、室内は22℃以上を保つ環境になっています。

※室温は外気温や日当たり、エアコンの使い方などでも変わります。

「エアコン → LDK → 廊下・洋室」と空気が流れる

変化③ お風呂へ行くときの寒さも考える

50代、60代、70代とこれから長く住む家なら、水まわりの寒さも考えておきたいところです。

特に冬は、暖かいリビングから寒い脱衣室、そして暖かい浴槽へと、短い時間に大きな温度差が生まれることがあります。

急な温度変化は、体への負担にもつながります。

だからこそ、リビングだけ暖かければいい、ではありません。

家全体の温度差をできるだけ少なくする。これも断熱リノベーションで大切にしたいことです。

変化④ 結露も「仕方ない」で終わらせない

古い団地で、もうひとつ多い悩みが結露です。

朝起きたら窓がびっしょり。玄関ドアにも水滴。毎朝ふくのも大変ですよね。

北須磨団地Aでも、玄関の結露が大きな悩みでした。

そこで、玄関の室内側に断熱のためのドアを設けています。

窓なども含め、冷たい場所をできるだけ減らすことで、結露を抑えやすい環境をつくります。

ただし、断熱すれば絶対に結露しない、というわけではありません。

室内の湿度や換気も関係します。断熱・換気・湿度。この3つをいっしょに考えることが大切です。

変化⑤ 断熱は、夏にも働いてくれます

「断熱」というと、冬のためのもの。そんなイメージがあるかもしれません。

でも実は、夏にも断熱は大切です。

外から入ってくる暑さを室内へ伝わりにくくすることで、冷房した空気も外へ逃げにくくなります。

北須磨団地Aでは、夏もエアコン1台を中心に家全体を涼しくする暮らしをしています。

昔のように、「この部屋だけ涼しいけど、廊下へ出るとムワッ」という家ではなく、家全体をひとつの空間として快適にする考え方です。

等級6の本当の良さは「何もしない時間」にある

断熱性能が高い家だからといって、毎朝「今日も断熱等級6だなぁ」と思いながら起きる人は、たぶんいません。

性能の良さは、意識しなくなったときに感じるものかもしれません。

朝、布団から出る。廊下を歩く。キッチンに立つ。お風呂へ行く。ソファでテレビを見る。

そんな何でもない時間に、「あれ?前ほど寒くない」「この部屋、居心地がいいな」と感じられる。

私たちは、そんな住まいをつくりたいと考えています。

まとめ

断熱等級6の良さは、「等級が高いこと」そのものではありません。

暮らしの中では、次のような快適さにつながります。

  • 冬の寒さをやわらげる
  • 足元の冷えを感じにくくする
  • 部屋ごとの温度差を小さくする
  • 結露を抑えやすい環境をつくる
  • 夏の暑さを室内へ伝えにくくする
  • 冷暖房した空気を保ちやすくする

大切なのは、数字のために断熱するのではなく、これからの暮らしのために断熱すること。

北須磨団地Aでは、断熱性能「等級6」を毎日の心地よさにつなげるリノベーションを行いました。

次回は「BELSって何?なぜ第三者評価を取得したの?」

「BELS……また英語が出てきた」と思われた方もご安心ください。

次回も、できるだけ日本語でお話しします。

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